部品
材料:シャーシ本体に5052アルミ 1.5 mm、前面・背面パネルもアルミ。卓上機器筐体 約 400 × 350 × 150 mm、電源基板・制御基板・センサーモジュールの内部搭載位置と前面のディスプレイ開口。
設計を方向づけた要求は、全パネル継ぎ目でのEMC遮蔽連続性、電源部品とシャーシ壁の熱接触、実験室仕様の清拭可能な外面。
金型なしの遮蔽連続性
EMC遮蔽はすべての継ぎ目にわたる連続した導電経路に依存します。金型成形の筐体では成形ガスケット溝やばねフィンが担いますが、金型のない少量生産では、成形パネルに露出金属の接触面を設け、締結ネジ間隔で閉状態を保つのが実際的です。
そこでパネル間フランジはマスキングせず無塗装のまま残し、ネジ間隔はフランジがネジ間でも接触を保つように設定しました。ガスケット圧縮と同じ原理です。接触は部品が押さえられているところでしか得られません。
熱接触と清拭性
発熱部品を担うブラケットは、シャーシ壁にボルト締結される平面パッドとして成形しました。重要なのは厚さより平面度です。反ったパッドは2点で接触し、他は絶縁します。1.5 mm で平面度を管理した方が、厚い材料でも隙間が残る場合より安くできました。
| 要求 | 解決 |
|---|---|
| EMC遮蔽連続性 | 全継ぎ目で露出金属フランジ、ネジ間隔で接触維持 |
| シャーシ壁への熱接触 | 発熱部品のブラケットは壁に密着する平面として成形し、初品で平面度管理 |
| 清拭可能な外面 | 段のない成形面。仕上げが必要な箇所は塗装でなくアルマイト |
| ディスプレイ開口の剛性 | 平らな切り抜きでなく開口周囲に成形リブ |
| メンテナンスアクセス | 着脱式天板と背面板。いずれも遮蔽用のガスケット当接面付き |
検査
検査は熱パッドの平面度、組み立て済みシャーシでの導通、ディスプレイ開口寸法を対象としました。導通は単体パネルでなく組立ユニットで測定します。パネルを締結して初めて性質が存在するからです。
初号機には初品寸法報告書を発行し、導通確認は寸法ではなく合否として記録しました。機械組立品の電気的性質としては、これが正直な形式です。
応用できる要点
- EMC連続性は設計機能です。露出金属の接触面と適切なネジ間隔であり、最後の塗装判断ではありません。
- 熱接触には平面度が必要で、厚さではありません。平面な 1.5 mm パッドは反った 3 mm に勝ります。
- 電気的性質は組立ユニットで測る。組立の中でしか存在しないからです。
- 少量生産では、設計が許せば幾何が金型の代わりになります。
