板金のDFM:量産前に確認する項目一覧
板金部品のコストの大半は、機械ではなく図面の段階で決まります。DFMは、変更がまだ無料であるうちに高くつく判断を止めるチェックリストです。そして多くのチェックリストと違い、ここに並ぶ項目は実際に不具合が出た部品から来ています。

板金の製造性設計(DFM)とは、工程が繰り返し保証できる範囲の中で設計することです。穴は板厚以上、内側Rは板厚の半分以上、フランジは金型が支えられる長さ、穴は曲げ線から離し、公差はその箇所に必要な以上に厳しくしないことです。
01問い合わせごとに行うDFMレビュー
引き合いが届くと、技術者が価格を付ける前に以下の一覧と照らして読みます。製造性の問題や回避可能なコストを生む箇所は、変更案を添えた所見として戻します。価格は修正後の形状に対するものなので、差が見えるようにしています。
| 項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 内側R | 板厚の半分以上 | 丸い工具では鋭い内角を切れない |
| 穴径 | 板厚以上 | それより小さい穴は追加工かパンチが必要 |
| 穴と曲げ線の距離 | 2.5×板厚+内側R以上 | 変形域に入った穴はゆがむ |
| 最小フランジ長 | 板厚の数倍(V金型で決まる) | 短いフランジはストローク中に支えられない |
| 曲げ半径 | 材質と調質ごとの最小値以上 | 最小未満の曲げは割れる。特に圧延方向と直交する曲げ |
| スリット幅 | 板厚以上 | 狭いスリットは切断品質が悪く金型を摩耗させる |
| 穴の端距離 | 板厚以上 | 薄いウェブは成形や取扱いで破れる |
| 一般公差 | 機能上重要でなければISO 2768-m | 厳しい指示は精度ではなく検査を増やす |
| 座ぐり・皿もみ | 締結要素が要求する箇所のみ | いずれも工程が1つ増える |
| 圧入インサート | 最小板厚と端距離を守る | インサートは材料が流れ込む余地を必要とする |
| バリ取り指示 | 必要なエッジ状態を明記する | 200穴の板に「全周バリ取り」は手作業になる |
| 表面処理 | 標準色と部品ファミリーごとに1処理 | 色や処理が違うたびに別ロットになる |
02まず板厚。他のすべてを決めるため
板厚は板金図面で最も影響の大きい数値です。最小穴径・内側R・最小フランジ長・曲げ半径・必要な曲げ力・達成できる公差を決めます。50%厚くすると、これらの制約が同時に厳しくなります。
だから「厚くすれば丈夫になる」は非常に高くつく直感です。リブ、成形による補強、断面形状の変更で、板厚を1ランク上げるよりはるかに安く剛性を得られることが多く、しかも他の設計制約を巻き込まずに済みます。
03公差の現実的な設定が最大のレバー
一般公差ISO 2768-mは板金の大半の寸法をカバーし、追加費用はかかりません。全寸法に±0.05 mmを求める図面は、材料が出せない工程を要求しています。結果はより精密な部品ではなく、測定の増加、不良の増加、価格の上昇です。
実務的には機能で公差を分けます。位置決め・シール・当たり・荷重を受ける箇所を特定し、根拠のある指示を与え、残りは一般公差に任せる。この1点の変更で、機能を変えずにコストの層が丸ごと消えることがよくあります。
04部品ではなく、組立を設計する
製造できる部品でも、組み立てられない製品にはなり得ます。後から閉じる面からのアクセスが必要なインサート、密閉箱の内側の溶接、空洞の中に埋まるボルト頭、4つの嵌合部品にまたがって積み上がる公差。いずれも遅い段階で表面化し、不釣り合いに高くつく組立上の問題です。
解決は、物ではなく手順を設計することです。まず接合の順序を決め、その操作が行われる時点で工具のアクセスがあるかを確認します。
- 組立手順の中で、各締結部に工具のアクセスがあるかを確認する。
- 溶接は手が届き清掃できる位置に置き、構造か意匠かを明記する。
- 厳しい公差を多数の部品に積み上げない。重要な箇所に配分する。
- 表面処理を計画する。マスキングするねじ、導通接触部、アース点は指示が必要。
よくあるご質問
DFMレビューは有料ですか?
いいえ。製造性の確認は見積もりの一部です。図面を読み、問題や回避可能なコストを生む箇所を指摘し、当社が実際に作る版で見積もります。
最も多いDFMの問題は何ですか?
短すぎるフランジと、曲げ線に近すぎる穴です。どちらも3Dモデルでは見えず、どちらも追加の金型か逃げを強いられます。次に多いのが公差の過剰指定で、レーザー切断して曲げた部品に全体±0.05 mmを求める図面です。
成形できる板厚はどれくらいですか?
当社のベンダーは、炭素鋼で約5 mm、ステンレスで約3 mm、アルミで約5 mmまで成形できます。内側Rと、金型が支えられるフランジ長によります。それ以上は他の工法が適していることが多くなります。
鋭い内角をレーザー切断できますか?
できません。カーフ幅は0.1〜0.5 mmで、ビームは丸いため、内角には少なくともカーフ幅の半分程度のRが付きます。少し大きめのRを指定するのに追加費用はかかりません。
板金にISO 2768-mで足りますか?
大半の箇所では足ります。一般寸法と角度を1つの指示でカバーし、図面をすっきり保てます。明示公差は、実際に位置決め・シール・荷重を受ける箇所に残してください。
図面を送れば、確かな回答が返ります
技術者がモデルの製造性を確認し、数量を反映した見積もりを返します。価格を左右するDFM指摘も添えます。