筐体が担う三つの役割
この三つは同じ形状の箇所で衝突します。蓋を押さえる締結部は、同時に通電導体からトレイへの経路になり得て、しかも荷重経路の応力集中部でもあります。構造を固めてからシールするのではなく、最初から一緒に設計することが、開発期間を短くします。
- 構造:モジュール質量、拘束荷重、衝突ケースの荷重を受けます。トレイは容器ではなく荷重経路です。
- 密封:電子機器が詰まった区画に水・粉塵・走行時の飛石を入れません。熱サイクルと供用寿命を通じてです。
- 電気:通電部と接地金属の間の空間距離と沿面距離を保ちます。すべての締結部と端面も含みます。
材料と成形の実際
| 選択 | 理由 | 代償 |
|---|---|---|
| 冷延鋼板トレイ | コストあたりの剛性、溶接性 | 全面塗装またはめっきが必要。切断端面に腐食 |
| アルミトレイ | 質量削減、熱容量 | 同じ剛性には板厚増。溶接と接合設計が変わる |
| 亜鉛めっき鋼板 | 全面塗装なしで耐食 | 溶接品質が落ち、溶接部でめっきが焼ける |
| 深絞りポケット | モジュール座を溶接せず成形 | 金型費。数量が必要 |
| 折り曲げ+溶接の箱 | 金型費が低く形状自由度が高い | 溶融ひずみの管理と、シームごとの漏れ経路 |
| ステンレス締結具 | 異種金属腐食の回避 | 湿潤環境では塗装鋼板と安易に混在させない |
DFMの議論が向かう先
当社が最も多く提案する変更は蓋です。平坦なフランジと粘着シールに頼るのではなく、ガスケット用の連続成形溝を設けます。溝は成形1工程分のコストで、サービス時に再組立した際にガスケットが位置ずれする risk を消せます。パック筐体が開けられるのは、まさにそのときです。
二つ目は締結パターンです。ガスケットを圧縮するために蓋の締結部を均等に荷重する必要がある場合、その間隔は構造要件ではなくガスケット圧縮量で決まります。両者はしばしば異なります。設計段階で整合させておけば、中央は密閉されるのに四隅から滲むパターンを避けられます。
- シール経路と締結パターンは一緒に設計してください。間隔はガスケット圧縮量で決まります。
- 導電性を保つ必要がある面を明示し、塗装前にマスキングしてください。
- サービスを前提にしてください。パックは開けられるものとして、ガスケットが正しく戻る設計にします。
- トレイが放熱経路も兼ねる場合、モジュール接触面の平面度は機能公差であり、外観公差ではありません。
